ダイビングを楽しむための準備とケア
このページでは、ダイビングを思い切り楽しむための準備とアフターケアについて紹介しています。
ダイビング前日までに準備しておきたいこと
美しい海の世界を楽しめるダイビングは、非日常体験ができるなどの魅力がある反面、陸上とは違い事故などの危険性も高いです。最後まで安全にダイビングを楽しむためには、事前の準備が大切でしょう。
以下では、ダイビング前日までに準備しておきたいことを5つ紹介します。
たっぷりと睡眠をとる
寝不足のままダイビングをすると耳抜きがしにくくなるうえ、船酔いの原因にもなります。また、集中力や思考力も鈍らせてしまうので、危険と隣り合わせのダイビングを行う前日は、万が一のことを考えてしっかりと睡眠をとっておくのが重要です。
旅行中は普段よりも気分が高揚して、「なかなか寝られない…」ということも多いかもしれません。特に飛行機での移動の後すぐにダイビングをする場合は、長時間の移動によって手足がつってしまう可能性があるため、前日はたっぷりと睡眠をとってダイビングに備えましょう。
食事は腹八分目にする
ダイビングは決して激しい運動ではありませんが、食事の量には注意したほうが良いです。海に入る時に着用するウェットスーツはゴムでできており、着ている間は多少の締め付け感があります。ウェットスーツの着圧と海中の水圧によって胃が圧迫される可能性があるため、食事はダイビングをする1時間前には済ませておくのがベストでしょう。
逆に、空腹のままダイビングをするのも要注意。ダイビングは運動量こそそこまで多くないものの、水中に潜るのは意外と体力を消耗します。空腹状態ではエネルギー不足になりやすいですし、船酔いや波酔いの原因にもなるため、腹八分目程度で食事をとってください。
前日の深酒は厳禁
二日酔いするほどの深酒は、ダイビングの事故の原因となります。普段は正しい判断ができるのに、前日の飲酒によって判断力が鈍ってしまうのはよくあることです。水中でのトラブルは大きな事故につながるため、ダイビングスクールやショップによっては安全上の理由から二日酔いの人のツアー参加を断っているケースも。
また、アルコールを分解するためには水分が欠かせないことから、飲酒後は脱水状態になりやすいです。そのままダイビングをすると、減圧症のリスクが高まるでしょう。ダイビングをめいっぱい楽しみたい人は、前日の飲酒自体を控えるのが賢明です。
持ち物チェックも忘れずに
ダイビングは朝早くから集合するケースが多いので、当日に持ち物を確認している時間はほとんどありません。急いでいる時の持ち物チェックは忘れ物の原因となるので、前日にしっかり準備しておきましょう。
なお、ダイビングを行うにあたって必要なものは以下の通りです。
- バスタオル
- 水着(着用して集合)
- 着替え
- 船上用の荷物入れ
- 日焼け止めクリーム
- サングラス
- 酔い止め薬
この中でも特に重要なのは酔い止め薬です。万が一船酔いしてしまった場合、せっかくのダイビングができない可能性があります。船の上や水中の揺れはかなり大きいので、普段は乗り物酔いしない人も酔い止め薬を持って行ったほうが良いでしょう。
集合場所とアクセスの再確認
スムーズに集合できるよう、集合場所とアクセス方法は前日のうちに確認しておきましょう。慣れない地での移動は意外と時間がかかってしまううえ、ダイビングが盛んな土地はダイブポイントがたくさんあり、出発直前の確認ではどうしてもバタバタしてしまいます。
ツアーに遅刻してしまうと他の参加者に迷惑をかけてしまうだけでなく、最悪の場合はキャンセル扱いとなるため注意が必要です。
ダイビング後にケアしておきたいこと
まずは体調チェック
ダイビング体調不良が発生した場合、減圧症の可能性があります。減圧症はダイビング後に起きる潜水病のことで、水中から浮上する際に圧力が下がり、体内に溜まった窒素がさまざまな組織にダメージを与えるのが原因です。
減圧症の主な症状は、麻痺やしびれ、関節、脱力感、吐き気、全身倦怠感など。ダイビングの1時間~6時間後に発症することが多いですが、中には12時間以上経ってから発症する人もいるでしょう。軽症だと思っても時間の経過とともに重症化するケースがあるため、ダイビング後は体調チェックを欠かさずに行いましょう。
肌や髪の手入れ
紫外線によるダメージを受けた肌は、ダイビング後すぐにほてりを鎮静するのが重要です。日焼け止めをしっかりと落としてから、冷却スプレーや保冷剤でアイシングしましょう。その後たっぷりの化粧水で肌に水分を与え、シートマスクなどで保湿をするのも忘れずに。
また、紫外線は肌だけでなく髪にもダメージを与えます。そのため、ダイビング後は真水で髪を洗い流し、トリートメントで潤いを補給してください。髪のケアについてはこちらのページも参考にしてみてください。
しっかり休息をとる
ダイビングは意外と体力を使うレジャーのため、ツアー後はゆっくりと過ごすようにしましょう。また、ダイビング後の休息は、環境圧による減圧症や窒素酔い、肺の過膨張障害などのリスクを下げる効果もあります。
ホテルに戻って休むのも良いですし、観光地のカフェでゆっくりするのも良いでしょう。
ダイビング後にやってはいけないこと
飛行機への搭乗や気圧の低いところへの移動
ダイビングを楽しんだ後18時間以内は減圧症のリスクが高まるため、飛行機搭乗までは最低でも12時間空けるのが好ましいです。また、連日のダイブや1日に何回もダイブする場合は、搭乗まで18時間程度空けてください。
なお、減圧停止を行うダイビングについては、搭乗まで18時間以上空けることが推奨されています。
温浴
疲れた体を癒すために、バスタブや温泉へ入ろうと思っている人も多いはず。しかし、減圧停止が必要なダイビングや無減圧潜水時間寸前までダイビングをしていた場合は、体内に大量の窒素が蓄積している状態です。この状態で温浴をすると減圧症のリスクが高まってしまうため、ダイビング直後は温めのシャワーで済ませましょう。
過度の飲酒
アルコールは分解時に水分が必要になりますが、ダイビング後に脱水症を引き起こすと減圧症を併発する可能性があります。飲酒前はたっぷりと水分を取るのと同時に、ダイビング前後は400ml以上の水分補給を心がけてください。
また、アルコールを摂取した身体は窒素の排出スピードが遅くなるとも言われているので、「どうしても飲みたい!」という場合はたしなむ程度に留め、飲みすぎないよう注意しましょう。
激しい運動や圧を加えるマッサージ
ダイビング後は鼻をつまむ耳抜き法や、激しい運動は控えるべきです。これらは胸中の圧力上昇につながるため、運動をやめたとたんに静脈内の気泡化した窒素が動脈へ流れてしまいます。動脈へ流れた窒素の気泡は脳などへ移行し、神経障害などの重篤な症状を引き起こす原因に。
また、減圧症との関連性は確かではないものの、体に圧を加えるマッサージにも注意が必要です。痛みや疲労が溜まった筋肉へ強い圧を加えるマッサージは、血流が良くなることで気泡が作られる、減圧症の誤診につながる筋肉痛を引き起こすなどの原因となります。
まとめ
注意点を守れば安心してトライできるのがダイビング。体内の状態は目に見えないため軽んじてしまいやすいですが、ダイビング後も楽しい時間を過ごせるよう意識的に行動するのが大切です。体調管理に気を配り、ダイビングを楽しみましょう。