ダイビングのNG行為「煙幕」とは
ダイビングのNG行為の一つとして挙げられるのは煙幕です。ここでは、煙幕ダイバーとは何か、煙幕がダメな理由と対処法を紹介しています。NG行為を避けて楽しく潜れるようになりましょう。
煙幕とは砂が巻き上がった状態を指す
ダイビングでは砂が巻き上がった状態を煙幕と表現しており、そのような泳ぎ方をするダイバーを煙幕ダイバーと呼びます。砂地ギリギリを泳いでいると、フィンキックにより砂が巻き上がることが原因です。
フィンは泳いでいる間は後方に位置するため、砂に接触していることに気が付けないケースがあります。煙幕ダイバーは、他のダイバーから敬遠される要因となるので、後ろを振り返って砂を巻き上げていないか確認するようにしましょう。
煙幕を起こしてはいけない理由
煙幕ダイバーが敬遠される理由としては、生物の環境が壊されてしまうという点が挙げられます。実は、フィンキックで珊瑚が破壊されるケースは決して珍しくなく、珊瑚の破壊発生率は1本のダイビングでおよそ7%といわれています。6本程度のダイビングをすると、1回のダイビングでも珊瑚にかなり悪影響を及ぼすことが分かるでしょう。
珊瑚は成長速度が遅い動物で、少しダメージを受けるだけでも、再生するまでに年単位の時間がかかります。つまり煙幕ダイバーが多いほど、珊瑚礁がなくなるリスクが高まります。珊瑚は海の生物の食糧であり、珊瑚を食べない生物も獲物を捕獲するための手段、棲み家として活用しています。
海の生物の4分の1は珊瑚で暮らしている
珊瑚がなくなると、生態系が壊れるリスクが高まります。というのも、珊瑚は海の生物の4分の1が棲み家にしており、珊瑚礁が破壊され続けると、海の生物の過半数近くがいなくなるではないかと危惧されています。
珊瑚は、海の生物が卵を産み育てるための場所としてなくてはならない存在です。ただでさえ、珊瑚礁は地球温暖化の影響で破壊され続けており、その数は年々減少。ダイビングができるような観光地では、特に珊瑚の減少傾向にあります。煙幕ダイバーは珊瑚だけでなく、周辺の生態系まで壊してしまうリスクがあると念頭に置いて、フィンが当たらないように泳ぎましょう。
きれいな景色を楽しめなくなる恐れも
煙幕ダイバーは生態系を壊すリスクがあるだけでなく、景観を壊す恐れがあります。砂を巻き上げると、海水が濁って視界が遮られ景色を楽しめなくなります。周囲には他のダイバーもいます。景観を保つためにも、砂を巻き上げないよう注意してください。
煙幕ダイバーを卒業する方法
煙幕ダイバーを卒業するには、中性浮力を取ることが大切です。中性浮力を取れないダイバーは、立ち泳ぎになってしまうケースが多く、フィンで砂を巻き上げやすい状態だといえます。中性浮力が取れない方は、浮き沈みをゆっくりと体感することから始めましょう。中性浮力が取れないときは、体が沈む際はBCDに吸気、体が浮いてしまう際はBCDから排気しましょう。
ただ体が沈んだからと焦って吸気するのは避けてください。BCDに吸気・排気した後は、体感できるまでにタイムラグがあります。息を吸うと浮力で体が浮き上がり、息を吐くと体が下がるので、呼吸を考慮して慌てずに調整していくのがポイント。息を吸った時に体が制止し、吐いた際に沈むくらいがちょうど良い中性浮力の取り方だといえます。
適正なウエイトで潜る
適正なウエイト量で潜らないと、BCDに必要以上に吸気しないと潜りにくくなります。肩口から背中に空気が溜まりやすくなるので、立ち泳ぎに近い形になる恐れも。砂を巻き上げやすい泳ぎ方になるため、オーバーウエイトにならないよう注意してください。
焦らずゆっくりと泳ぐ
中性浮力を取ってきれいに潜るには、慌てないことが大切です。中性浮力が取れないからと、慌ててフィンキックをしたり、呼吸をしたりするのはかえって逆効果に。フィンキックは急いで行うと、効率的に水をかき分けれず身体の姿勢が安定しにくくなる原因にも。また、急いで呼吸が浅くなっても、中世浮力を取りにくくなるので注意が必要です。
フィンキックをする時は後方確認を
わざと煙幕を立てている煙幕ダイバーは少なく、知らず知らずのうちに煙幕ダイバーになっている方が多いといえます。海底ギリギリを泳ぐ際は、フィンが頭より上に位置するように泳ぐことが大切です。頭よりも下がった状態で泳ぎ始めると、気づかないうちに砂を巻き上げる可能性が高いでしょう。泳ぎ方のコツを押さえて、楽しんでダイビングをしてくださいね。
- ライセンスで世界中の海が遊びのフィールドに!おすすめダイビングスクール
- 初心者も免許取立ての方も気になるスキューバダイビングQ&A
- どんな危険生物がいるの?
- ダイビング中に気を付けたい肺の過膨張障害とは
- 脱!ブランクダイバー~海に戻るのに大切なこと~
- ダイビング中に起きる4つのトラブルとその対処法
- ダイビングに必要なスキル「中性浮力」とは
- ダイビングで気を付けること
- かなづちや視力が悪くてもできる?
- ダイビング中の迷子「ロスト」の対策
- ダイビングスクルーは少人数制がよいといえる3つの理由
- ダイビングでの窒素中毒とは?窒素酔いの症状や予防法を紹介
- ダウンカレント
- ダイビングの基本ルール「バディシステム」とは?
- ダイビング後すぐに飛行機に乗るのはNG?
- ダイビングは水深どのくらいまで潜るの?
- ダイビングは持病・疾患があってもできる?
- プール付きダイビングスクールを選ぶべき4つの理由
- 潜る時間はどのくらい?減圧症ってなに?
- 喘息がある場合のダイビングにはどんなリスクがあるの?
- ダイビングでのスクイズってなに?サイナススクイーズとの違いは?
- ダイビングのマスククリアとは?
- ダイビングは冬でもできるの?
- アクセサリーを付けてダイビングを行う際の注意点
- ダイビングスクールのオンライン講習で基礎知識を学ぼう
- ダイビングの受講に合った季節はいつ?
- 器材は購入とレンタルどっちが得?
- ダイビングでタンクが外れたときの直し方
- ダイビング時の口呼吸のポイント
- ダイビングでよく使うハンドシグナルとは
- 60歳から東京で始めるシニアダイビングの5つの魅力
- ダイビング前後におすすめのストレッチ
- ダイビングの前に大切な耳抜きの方法とは?
- ダイビングにログブックは必要?
- ダイビング当日もおしゃれはできる?
- 妊娠中にダイビングはできるの?
- 夜のダイビングの魅力と注意点
- ダイビングで使うダイブコンピュータとは?
- 快適なダイビングのためのウェットスーツ選び
- ダイビングで雨が降った場合って決行できるの?
- スキューバダイビングの怖い体験と安全に潜るためのポイント
- ダイビングを楽しむための準備とケア
- ダイビング中にサメに襲われることはないの?
- 東京のダイビングスクールの無料説明会に参加するべき理由5つ
- 遠方(海外や沖縄)でライセンスを取ったんだけど?
- ダイビングで傷んだ髪の毛をケアする方法とは?
- 初心者は知っておくべきダイビング中の鼻血と原因
- ダイビングコンピューターの使い方や注意点
- ダイビングで気を付けたい日焼け対策
- 生理の時でもダイビングは可能?
- ウェットスーツの下に着るインナー(水着)の選び方
- 良いダイビングスクールの選び方は?
- ダイビング中に頭痛が起きた場合の対策はどうすればいい?
- ダイビング中にトイレに行きたくなったらどうすればいい?
- ダビングでポイントへ行く時の船酔いの対処とは?
- 都市型ショップとリゾート型の違いとは
- オクトパスブリージング(バックアップ空気源の使用)のやり方