妊娠中にダイビングはできるの?
ダイビングを始めてしばらく経ち、慣れてきて楽しくなった時に妊娠が発覚するケースもあるでしょう。妊娠してしまったけれど、せっかく始めたダイビングをとめなければならないのでしょうか。結論から言うと、妊娠中のダイビングは母体・胎児ともに思わぬリスクを与えてしまう可能性があるため、控えるべき。
このページでは妊娠中のダイビングについて解説しています。
妊娠中にダイビングをしても問題ない?
妊娠中にダイビングをするのは非常に危険なので避けた方がいいでしょう。それは妊婦や胎児の影響がハッキリとは分かっていないからです。万が一のリスクに備えて、妊娠の可能性があればダイビングをしない方が無難と言えます。
もし妊娠に気が付かずダイビングをした場合、妊娠初期であれば通常の妊娠とリスクは変わらないと言われているので、それほど心配しすぎることはありません。産科の医師にダイビングをしたことを伝え、経過をしっかりと診てもらうようにしましょう。
胎児への影響の可能性
ダイビングをすることで妊婦だけでなく、胎児にも何らかの影響を及ぼすと言われています。胎児減圧症・脳閉塞・失明の3つの影響について紹介するので参考にしてください。
胎児減圧症
妊娠中にダイビングをすれば、窒素を胎児の体に取り込んでしまうことがあります。水面に浮上する際、窒素の気泡が発生してしまい「胎児減圧症」を招くリスクが高まるでしょう。また窒素の気泡が胎児に取り込まれることによって、胎児の成長に悪影響をきたすことも。体のどこかの成長が停止するなどの障害を招く要因になることもあると言われています。
脳閉塞
人間は肺を使って呼吸しますが、胎児は肺呼吸ではなく胎盤を通じて、酸素や栄養を受け取る仕組みになっています。そのため減圧症によって窒素の気泡が発生すれば、肺ではなく、動脈を通じて体全体に流れ込んでしまうのです。また胎児は体の中に気泡が入ってきても排出できる力がありません。そのため全身の血管に気泡が流れ、脳の血管まで運ばれることも。その結果、脳の血管を詰まらせる「脳閉塞」の要因になってしまうでしょう。
失明
減圧症になれば、状況によっては高圧治療を受ける必要があるケースも。高圧治療を受ければ、高圧酸素を妊婦が吸うことで、胎児の血管を詰まらせ、網膜症を引き起こすことがあります。視力低下だけでなく、最悪の場合は失明するリスクも生じてしまうでしょう。
母体への影響の可能性
妊娠中は想像以上に体調を崩しやすい時期です。非常にデリケートになっており、妊娠前には問題なかった行動でも疲労感などを覚えることもあるでしょう。ここではダイビングがもたらす母体への影響について解説していきます。
脱水症状
妊娠中は胎児に栄養を届けており、つわりなどの症状も相まって脱水症状が起こりやすくなると言われています。ダイビングは海の中で体を動かしているため、汗をかいていても気が付きにくく、のどの渇きも感じにくい状況です。そのためダイビング中に脱水症状が悪化し、吐き気や頭痛などの症状をきたすことがあるでしょう。
身体の冷え
海に潜ることで、海水によって体が冷えてしまいます。たとえ夏場であっても波や深さによって、海水の温度が下がり、体が冷えてしまうので注意が必要です。妊婦が体を冷やしてしまうと、切迫早産のリスクを高めると言われています。そのため体を冷やすような行動は、妊婦にとってNGでしょう。
足がつりやすい
妊娠中はミネラル不足や水分不足、ストレス、運動不足など様々な要因によって、足がつりやすくなると言われています。何もしていない状況でも足がつりやすい妊婦が、ダイビングをすれば、さらに足がつりやすい状況を招いてしまうでしょう。もしダイビング中に足がつってしまえば、パニックとなり、思いもよらぬトラブルにつながる可能性もあるので注意が必要です。
もしもダイビングする際には
妊娠中のダイビングは想定外のトラブルを招く可能性もあり、基本的にはダイビングは控えた方がいいでしょう。またダイビングだけでなく、シュノーケリングもダイビング同様のリスクがあるので注意が必要になってきます。それらのリスクがあるため、妊娠中の方はダイビングスクールでもお断りされているケースがほとんどです。
どうしても妊娠中にダイビングをしたい場合には、まず産科の医師にダイビングができるか相談をしてください。安定期で、経過が順調、過去に流産・早産の経験がない、何らかの疾患を抱えていないなどの条件を満たせば、場合によっては医師からOKが出る可能性もあります。もし医師からOKと言われたら、そのことをダイビングスクール側にも伝えるようにしましょう。そうすれば、ダイビング中のサポートも行うことができます。決して妊娠中ということを隠して、ダイビングをするのはやめてください。
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