PADI
国内外で代表的なダイビングライセンス指導団体、PADIの特徴や、発行しているライセンスの種類などの情報をまとめました。
PADIの特徴やライセンスの種類をチェック!
PADIは、日本でも加盟ショップがもっとも多い指導団体。間違いなく国内外で通用するライセンスを発行しています。ここでは、PADIの特徴や、発行しているライセンスの種類について調べてみました。
世界最大のネットワーク
世界7か所にオフィスのあるPADIは、世界180か国以上に13万5000人ものインストラクターを抱える組織です。名実ともに世界最大と言えるでしょう。
世界で発行されるCカードの6割はPADIのものだとされています。
世界中で評価の高いPADIのカリキュラムは、アメリカ教育審議会において、大学の単位と同等と認定されるほど。これはダイビング指導機関としては唯一のものです。まさに世界基準と言えると思います。
ISO取得のカリキュラム
PADIの指導カリキュラムは、国際的に認められたもの。国際標準化機構ISOの認定を受けており、ダイバー教育、プロレベル、ショップ基準など、あらゆる面で国際規格に適合していると認められています。
ISOに準拠したカリキュラムを提供している指導団体は、まだそれほど多くありません。PADIはスキューバダイビング国際規格策定委員会の中心メンバーであり、そのカリキュラムの品質の高さは言うまでもありません。
ライセンスの種類
PADIで取得できるライセンスには、以下のようなものがあります。
オープン・ウォーター・ダイバー
本格的にダイビングを楽しみたい人、海を守るためのアクションを起こすことを目的とする人におすすめのライセンスです。器材のセットの仕方やスキューバダイビングの潜水計画、水中での呼吸の仕方や中性浮力のとり方などをスキルとして習得できます。
eラーニングの所要時間は5~10時間ほど、海洋実習へ行く前に5本以上の限定水域ダイブで水中スキルを練習します。限定水域ダイブでスキルを身につけたら、波や流れのある海でも実践します。
アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
アドヴァンス以上ダイバー向けのスポットに行ってみたい人や、より深いところへ潜ってみたい人におすすめ。18m以深のディープダイビングや直線・四角形などのコンパスの使い方、上達した浮力コントロールなどのスキルを修得することが可能です。
まずはインストラクターと相談し、様々なダイビングを通じて好きな分野を3つ選択。3つの分野について6~8時間ほどのeラーニングで知識を身につけてから、テーマに沿ってダイビングを行います。
レスキュー・ダイバー
ダイビングの安全性や自信を高めたい人、仲間のダイバーを助けられるようになりたい人向けのライセンスです。未然にトラブルを防ぐ方法や緊急時の応急処置、事故時の救命方法・水中創作方法などについてスキルを習得できます。
まずは8~12時間のeラーニングで知識を身につけ、レスキュースキルの発展・実践を行います。学んだレスキュースキルを2種類のレスキューシナリオの中で実践し、リアルな現場をトータルで学びます。
マスター・スクーバ・ダイバー
スキルを磨き上げ、経験を積んだと証明するアマチュア最高峰のランクを持つライセンスです。専門のコースではなく、多くのダイビングの楽しみ方を知っていることに加え、トラブルの予防・対処能力も備えている人が表彰されるのがマスター・スクーバ・ダイバーです。
- PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
- PADIレスキュー・ダイバー
- 5つのPADIスペシャルティ・ダイバー
- 50ダイブ以上※ログブックの記録要
以上の4つが認定条件とされます。
スペシャルティ・ダイバー
まだ経験のない、特定の分野での基本的なダイビングの仕方や使ったことのない初めての器材の使い方などのノウハウを身につけて、経験と楽しみの幅を広げるコースです。スペシャリストを育成するわけではなく、ある特定の分野で学んだ知識とスキルを応用し、監督者なしで特定のダイビングが許可されます。
特定の分野における自立したダイバーになることを目的としており、例えばディープダイブの仕方や、水中スクーターなどの使い方など…応用による楽しみ方を広げられます。
PADIの年会費
PADIのライセンスは、アマチュア資格については年会費は発生しません。
プロとして必要なダイブマスター以上のライセンスになると、年会費が必要になります。ダイブマスターは¥22,248、インストラクターは¥29,700~の年会費が必要になります。
PADIゴールドカードについて
PADIの発行するカードは通常タイプとゴールドカードの2種類があります。それぞれ活動の範囲に違いがあるという訳ではありませんが、ゴールドカードは5スター・ダイブセンターが発行できる、Cカードの中でも特別なカードとなっています。
5スター・ダイブセンターとは
5スター・ダイブセンターは、PADIのダイビングスクールの中でも特に優れているスクールに授与される資格です。PADIの規定するダイブ・センター(ダイビングショップ)の条件を満たし、さらに教育・器材・体験・環境への自覚という4つの分野に関して、特に優れていると認められたスクールに対して授与される資格となっています。
5スター・ダイブセンターは、「教育」「地域活動への参加」「環境保護活動」に対してPADIから評価され、理想的なPADIプログラムを実施している証でもあります。そのようなスクールから授与されるため、ゴールドカード取得者は、信頼のおけるダイビングスクールで講習を受けたということを意味しているのです。
AWAREカードを発行している
各PADIのコースについてCカードを申請する際に、Project AWARE財団に1口500円以上の寄付をするとAWAREカードという特別なカードが発行されます。
デザインは毎年変わり、2019年はジンベイザメの写真が描かれています。寄付金は「サメとエイの保護」「Marine Debris(海のゴミ)の回収」の活動に用いられます。
また、2019年6月に再発行限定Cカードのデザインが決まりました。動物・水中写真家として活動しているBrian Skerry氏によるもので、「タテゴトアザラシ」「イルカの群れ」「アオザメ」の3作です。
Skerry氏はナショナル・ジオグラフィックが選ぶ「50人の最も偉大な写真家」の1人であると同時に、Project AWAREの名誉理事、世界野生生物基金(WWF)の全国評議会およびWWFの海洋リーダーシップ評議会の会員でもあります。海洋環境を想い、水中世界と海洋生物たちの美しさと脆弱さを人々に伝えるために活動を続けており、そんな彼の環境保護への情熱が描かれています。
Project AWAREとは
Project AWARE財団とは、海洋環境保護と目的とした非営利の環境保護組織です。「Sharks in Peril(危機に瀕するサメ)」と「Marine Debris(海のゴミ)」という2つの深刻な問題に対し、すべてのダイバーによるすべてのダイビングで、海の惑星である地球を守ろうというムーブメントです。
Project AWAREでは海の環境を守るために必要な知識をスキルを身につけられるスペシャルティ・コースを用意しています。「プロジェクトAWAREスペシャリティコース」「AWAREダイブ・アゲインスト・デブリー・スペシャルティ・コース」「AWAREサメの保護スペシャルティ・コース」の3種類です。
このうち「プロジェクトAWAREスペシャルティ・コース」はダイバーでなくても受けることができます。家族や友人も誘って一緒に参加するのもおすすめです。